楽天モバイルが導入する世界初の技術『完全仮想化技術』は次世代ネットワークの技術であり、従来よりも高品質・低価格での通信事業を実現すると言われています。
しかし、一般ユーザーにとってはいまいちピンとこないこの言葉。
『実際何がすごいの?』
『楽天モバイルを使うと何が嬉しいの?』
これだけでは具体的な技術のすごさがまったくわからないと思いますので、この記事で詳しく解説します。
実現すれば「これまでの通信ネットワークの常識がひっくり返る」(三木谷社長)
楽天の三木谷社長がここまで自信を示す、完全仮想化技術とはなんでしょうか?
まず仮想化技術とは、携帯電話ネットワークに必要な機器をソフトウェア化(仮想化)する技術のことです。これは、ネットワークの仮想化(NFV:Network Functions Virtualisation)と呼ばれています。
想像に難くないですが、これまでのネットワーク構成には様々なハードウェア機器が必要でした。
従来のネットワーク構築にはハードウェアが必須だった
従来の携帯電話ネットワークはというと、ネットワーク機器(ハードウェア)がいくつも必要でした。ソフトウェアが今日ほど普及していなかった時代から携帯電話はありましたから、ハードウェアが必要だったのは当たり前です。
携帯電話を使用するユーザーと基地局との通信をつなぐための無線通信処理機器をはじめ、交換機などのコアネットワークにおいても様々な専用ハードウェアを設置していました。実際ドコモやKDDI、ソフトバンクはこれら専用設備を日本各地に設置することによってシェアを拡大しています。
では、楽天が実現する完全仮想化とは何でしょうか?
先ほども少し触れましたが、モバイルネットワークには大きく分けて『RAN:Radio Access Network』と『コアネットワーク』があります。
RANとは無線アクセスネットワークの略で、基地局などユーザーに近い部分のネットワークと考えていいでしょう。一方コアネットワークは交換機などの基幹部分を構成するネットワークのことです。
実は、これまでも仮想化への取り組みはありましたが、コアネットワークにおける仮想化どまりでした。
今回楽天が実現する技術は、『RANからコアネットワークに至るまでの仮想化』なのです。
特にRANにおいて、これまで基地局がハードウェアでになってきた機能を『エッジデータセンター』と呼ばれる場所に集約し、汎用サーバーで運用していくことを公表しています。
では、具体的に楽天モバイルのユーザーにとってはどんな嬉しさがあるのでしょうか?
完全仮想化されることによる楽天にとってのメリットとはなんでしょうか?
メリット①:専用のハイコストなハードウェアを使用しなくなり、低コスト化につながる
メリット②:基地局の設備をシンプル化することによる不具合リスク低減と運用コスト低減につながる
メリット③:4Gから5Gへのアップデートもソフトウェアアップデートで完結できる
これまで使用してきたネットワーク通信に必要な様々な機器をソフトウェア化することによる低コスト化は、楽天モバイルにとって大きな強みになります。
そしてそれに伴い、基地局の設備が非常にシンプルになります。楽天モバイルのクラウド部部長のカーン・アシック氏は、「基地局にあるのはほぼアンテナのみ」と語っているほどです。
これによって、日本各地に設置する必要のある基地局の運用コストや不具合が生じるリスクを低減することが可能となり、さらなる低コスト化につながるのです。
最後に、ソフトウェア化することによってアップデートが容易になります。ネットワークをハードウェアで対応する場合、この春から開始される5Gサービスへの切り替えにおいてはすべての機器を5G対応機器に取り替える必要があるのです。
完全仮想化された楽天モバイルを使う嬉しさには、大きく二つあります。
嬉しさ①:低コスト化
嬉しさ②:ネットワーク品質の向上
楽天の通信事業が低コストで運用できるようになれば、その恩恵は当然一般の楽天モバイルユーザーにとっても嬉しさにつながります。すでに公表されている楽天モバイルのプランを見れば明らかで、docomoやau、ソフトバンクなどに対して低コストなプランが提案されています。
さらに、これまで基地局がになってきたシステムをエッジデータセンターで運用し、ここに様々な機能を集約していくことによりネットワーク品質の向上にもつながります。
エッジデータセンターは、携帯電話ネットワークの中でも一般ユーザーに近い部分の通信機能をにないます。
ここに様々な機能をもたせることは、『ユーザーが今いる場所の近くに、自分専用の高速コンピュータを所有していることと同じなのです。』(三木谷社長)
ハイスペックなスマホを持っていなくても、高品質なネットワーク通信を享受できるのです。